素敵に年を重ね、人生に悔いがないように。
年をとることに恐怖を感じ始めたのは今年からでしょうか?
私の仲の良い友人の半数は10歳以上の人です。今までは10歳年上だからといってもさほど年の差を感じなかった人たちがほとんどでした。又いろいろ教えられて勉強になることが多く人生の師匠のように思っています。ところが70歳を越すと目が悪くなったり、歩けなくなってきたり、車の運転も危なく、やたりに事故をおこしたり、クラックションをならされることが多くなっていらしたのです。又十分能力があっても働く場所がなくなってきたりと悲しいことばかりを友人から耳にします。若い時のようにその気持ちはあっても身体的にはポジティブな面はみえなくなってきています。
そんなお話をうかがっていると先々の自分の姿が見えてくるようにさえ感じます。これから先の人生は人の話を参考にすることはできても人に相談することでもなく、自分の人生に悔いがないよう自分ひとりで考えていかなくてはなりません。それに親は子供をいつまでも子供と思っていますが実際には子供は既に立派な大人になっているのかもしれません。そろそろよい年寄りになるための自立を考えなくてはならないのは私なのかもしれません。この10年が今まで以上に大切なのです。
女性の平均寿命は82歳、まだ20数年はありますね。今年ほど周りからの影響も受けて残りの人生の計画を考えたこともありません。自分の人生を考えた末、これが正解ということがなかなかないのが現状です。そこで私たち夫婦も結婚記念日を祝って家族で今年は10日間のお休みをとり新婚時代のアメリカの旅をし今までの人生に感謝し、これからどうしたいのかを探しに「自分探しの旅」に出たのです。
先日、ホテルイベントで結婚40周年以上のカップルの人たちのためのファッションショー&トークショーをさせていただきました。会場に全国から約300名のお客様が集まり大変興味のある2泊3日のイベント&パーティーが行われ大盛況でした。これはテレビ朝日 BSでも取り上げられました。お客様はディナーショーということで素敵に装っていらっしゃいましたが提供先のブルックスブラダースのオーソドックスな基本的なNYスタイルの洋服をTPOに合わせて夫婦仲良くマッチした装いにしていただくとお世辞抜きに10歳若返りました。さすがに司会のはかま満緒さんもびっくりなさりやたらに感心なさっていました。
80歳のご夫婦は典型的な日本人のカップル、着替えをしたら急に奥様の手をにぎりたくなったとおっしゃって、舞台に堂々と手をつないで颯爽と舞台に登場なさったときには私もびっくりしました。結婚依頼初めて手をつないで人前にお出になったと仰っていました。奥様も嬉しそうに下向きに微笑んでいらしてその年代の謙虚な奥様の美しいお姿を拝見しました。奥様の足の調子が良くなかったのですが、着替えられたらご夫婦揃って忘れられたようでした。病は気からといいますが似あう色や洋服は気持ちも身体も若返りますね。
ご主人のマフラーの結び直しをするときに私が冗談に「ちょい悪親父風にしましょうか!」と申し上げると、彼曰く「ずーと、ちょい悪親父なので、きっと似合うと思うよ。」とユーモアを交えて喜ぶ姿は若者にもかなわない貫禄でした。会場大笑いで幸せの風が会場に吹きまわった感じでした。私の仕事はここでも人に愛され人を幸せにさせることが出来るのだと神様にあらためて感謝したものです。
この日のセミナーの主題は最近テレビや新聞で騒がれている団塊の世代の人たちの定年後の問題でした。今は4人に一人は65歳以上という社会。町を歩くと年配の方々が圧倒的に増えているようです。又他のセミナーでも「気楽に楽しく年をとろう!」というタイトルでパネルディスカッションを致しました。パネラーの方々でも夏目漱石が言うようにお酒を自由に飲めて友達と会い楽しい会話をする、そして「不良になることだね。」そうすれば楽しい毎日がある。という意見やあるいは好きな趣味をみつけ「自分のわがままな時間を作る。」などなどといろいろで、お話しを聞いていても人それぞれでした。
確かに表面的には楽しく楽なはなしばかりでしたが、実際には親の看病や病気や収入面では苦労が立たないようにも感じられます。それを聞きながら思ったことはその苦労は自分だけではなく年を取ると誰でも通らなくてはならない難題であることです。その奉仕は当たり前のことであり、親に対して、今まで育ててくれた御礼でもあるのです。それと同時に自分の人生も平行してエンジョイし計画を持つこととは別問題ですね。
2日のセミナーを終って帰途の電車に揺られながら思うことは「思うとおりに歩めばよい」という事が結論でした。今まで自分がどのように生きてきたか?そしてこれからどのような人生を送りたいか?それが自分の持っている哲学にはずれていないか?ということではないかと思いました。先日香港に住む次女家族に会って思ったことは、素敵な空間も、美味しい食事も、楽しい仕事も心が満たされますが、孫と遊んだときに21ヶ月にしか育っていない孫から教えられたことはお互いに幸せを感じて笑ったときに心と身体がキューとしみるように幸福感を感を味わったことでした。その瞬間そうだ「手の届くところにすごく大きな幸せがあるのだ!」と思いました。
子供にもよく言われるのですが私は一人の時間が大好きです。
もちろん家族と一緒も大好きですがその反面一人で自然の中でいることが次の日を豊かにさせてくれる重要な時間でもあります。河口湖の私の家に泊まると小鳥の声で目を覚まし、テラスの東屋でミルクティーとこんがり焼けたトーストに手つくりのジャムをのせて食べたとき、落ち葉を掃いているときに背中に太陽の暖かさを感じたとき、眩しいまでに雪の白さを感じたとき本当に世界一幸せを感謝します。きっとそれは誰もが経験することでしょう。そして来年は河口湖の家(別名:未完成住宅)を更に充実させ新しい設計をたてています。
「色とライフスタイル」が私の一生の仕事ですが東京と河口湖のこの場所で更にこの仕事に相応しい充実した行動をしたいと思っています。家族や素敵な友人と共に、、、。
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