Dessert Seminar

甘いもの大好きが高じて、夏にはじめてお菓子の教室を開き、10月から定期的にクラスを開いてます。
「イメージコンサルタントがなぜお菓子まで?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。カラーの美しさ、楽しさをインテリアやテーブル周りで表現し、伝えるために、以前からテーブルセッティングのお教室は何度も行ってきました。が、時間の都合で生徒さんにお出しするお菓子が買ってきたもので、実はずっとそれがいやでたまらなかったのです。
市販のお菓子は、今はパティシエブームですし、とてもきれいで、種類も豊富で、自分で作るお菓子より手が込んでいたり洗練されていることは間違いないのですが、テーブルセッティングのなかで、買ってきたお菓子は完璧で妙に整い過ぎていて、場合によっては、そこだけ人工的に浮いてしまうのです。そして味の点でも、よほど珍しいお菓子であったり、美味しいお店のものでなければ、つくりたての、安心できる材料をつかった、香りいっぱいの手作りのお菓子にはかなわないのではないかとも思います。


私の衝撃的なケーキの思い出は、母が小学校1年生のときのバースディパーティの際につくってくれたフォレ・ノワール。(以前に雑誌の母娘特集取材でもご紹介したことがありますが)チョコレート風味のスポンジケーキの間に生クリームとチェリーのコンポートがはいったお菓子です。洋酒がたっぷりと打ち込まれていて、本当は子供向けのお菓子ではなかったのかもしれませんが、逆にそれが子供の私には、大人っぽく洗練されていて、輸入のチェリーのコンポートのパッケージもお洒落で、こんな素敵なお菓子が作れるなんてママすごい!と子供心に感激したのでした。


いつからか、お菓子を作るようになり、海外に訪れる度に本物の味を堪能し、様々なお教室にも通った経験を活かして、簡単で、失敗のない、材料も揃えやすい、お友達のお家に持っていってもちょっと見栄えのするような、確実に美味しいお菓子をご紹介していきたいと思います。
お家で独りで作った時に「こんな感じだったかしら?」と不安にならないために、実際に生徒さんにも作る行程から参加していただきながら進めます。
そして季節感あふれるフラワーアレンジメント、色彩の調和やトレンドを意識したテーブルセッティング、お菓子をプレゼントする際にお洒落に見えるラッピングの方法など、インプレッションならではの様々な驚きとアイディアがいっぱい詰まった楽しいお教室にしたいと思っています。


お菓子づくりは今流行りのスローフードの部類ですね。買ってくるよりも時間も労力も(ときにはお金も)かかりますが、ケーキやクッキーが焼き上がってきたときにオーブンから家じゅうに広がる、あのしあわせな甘い香りを思うと、(私の家族は、もう寝ていたくせに匂いを嗅ぎ付けて、夜中でもぞろぞろと台所に集まってきます)「自分でつくらないのはやっぱり損!」と、今日もせっせと焼いてしまうのです。

Text by Reiko Sugawara