木の実学園の藤本園長が私のオフィスにわざわざ大阪の布施から訪ねてきてくださったのは昨年の11月でした。
保育園の園長先生と言う事で地味な温厚な紳士と想像していましたらサザンオールスターズの桑田さんそっくりの真っ黒なスキー焼けしたまだ40代後半の仕事大好き人間でした。藤本先生は日本で始めての夢のあるpreschoolを作る為に各国のpreschoolやアミュ-ズメント・パークを見学して歩かれました。これからの子供たちや親の教育も含めて、五感豊かなスクールを作るのが夢でした。
そこで私達がお手伝いしたのは、校舎全体のカラースキームを作る事でした。設計者の新川さん、昇さんも何しろ爽やか、夢一杯の好青年で、子供達のためにもこの方々と是非良い仕事をご一緒したいと言う事が今回の仕事の目的でした。冬の寒い氷つくような現場で食事も忘れて打ち合わせをした事もいまは笑い話となりました。度々先生たちと打ち合わせを重ねやっと7月28日にオープンパーティが行われました。オープンパーティ当日、先生の大好きなサザンオールスターズの四重奏を聞きながらPreschoolの門をくぐると先生のお母様と先生がアロハシャツを着てレイをかけて迎えて下さいました。子供の背丈しかない小さな門をくぐり、ホールに入ると真正面にシンボルツリーの藤棚が美しく繁り、それを見ただけでも総ての成功を知りました。こPreschoolの外壁は,マスタードイエロー。煉瓦のダークブラウンの屋根と見事にマッチし、まるで子供達にとっても親にとっても近くの方々にも幸せを送るカラーとなりました。
アイシーピンク、イエロー、グリーン、パープルの園児達の部屋は見ている人の顔を笑顔にする魔法の力があります。また、壁には子供達の描いた絵や作品が沢山々々宝物の様にかかっていました。誰もが天才芸術家の子供たちの作品から学ぶ事は、自然のままでいること、そして個性を残すことです。子供たちは知らず知らずにこれを実践しています。ごまかす手段も持たず、まねしたいとも思わないから本物の作品となるです。遠くなければ毎日でもここに来て子供達と過ごしたい、又お母様達とお話してみたいと感じさせる何かがここには空気の様に漂っています。
プレイルームから見える中庭はお花やグリーンが咲き乱れガラス張りに開放されたキッチンは、まるでレストランの様,毎日頂くパンも目の前のオーブンで魔法の様に、黄金色にふわっと焼けていく。それを見て子供たちはどう思うのだろう…。と想像するだけでも楽しい。特別な時にはコーヒーのマシーンがお客様やご父兄に、大活躍。
藤本先生もご立派ですが、この先生を育てられたお母様(前園長)に私は、大きな拍手を送りたいと思います。何年、又何十年かたって、ここの卒業生たちが、暖かい素敵な個性ある人に育っていく事が、このpreschoolの喜びにつながるのでしょう。きっと私の仕事の成果もその時に始めて神様が下さるのでしょう。