A Happy New Year! from KAWAGUCHIKO

「今年のお正月は河口湖へいこう!」と子供達にいわれ大騒ぎしながら息子の運転で出発。いつも一人でドライブする事が多い私は後ろの席でとても退屈。河口湖に行くときはドライブする事も楽しみだったのにと気がつく。
「ママの運転はこの頃危なっかしい」と老人扱いしながら運転してくれる息子にそんなことをいったら頭にくるに違いない。暖かいコーヒーを飲みながら渋滞にもあわず小屋にたどり着く。いつも食料品は身体の健康のことも考えてなるべく持って行かないことにしているがお正月は特別だ。たった一日のお泊りなのにおせち料理と令子のケーキ材料一式を持ってその他本やコンピュター、DVDとこれは1週間分?と疑いたくなるような量の荷物。うちの家族の荷物といったら普通ではない。お正月早々小言も良くないのでこれも黙って我慢。
ついたら早速テラスや家の周りの掃除と予定したのに枯葉一つなく綺麗に掃除されている。まるで違う家に着いたようだった。その好意は誰の物かすぐ分かった。
地元の天野さんという大工さんが昨年の春の指の骨折を気にしてお掃除してくれてたのだ。
東京では考えられない人の暖かさがお正月早々気持ちよく暖かく感じられた。
早速管理人のおばさんに挨拶をしにいく。私にとって大切なこの方は山奥でもいつでもお洒落をして明るい人。今年のお年賀はワインと彼女に似合う口紅とマニキュアをプレゼント。それはそれは喜んでくれた。大雪でも気が向くと彼女に電話をして「行っても良い?」ときく。いつも適確な彼女の判断で安心して河口湖へ向う。主人のゴルフ友達から暮れにいただいたチューリップの球根を秋に植える事が出来なかったので、無理を承知で凍った土をホカロン沢山身体につけて耕す。お隣の子猫が何匹か近くに寄ってきて不思議そうに見ている。「寒くて無理よ!」と窘められているような気がした。案の定庭の土は凍っていたが奥深く掘ると結構暖かく何とか植えてみた。そばには今年植えたバラの木があり冬でも大変日当たりがよい。腐葉土落ち葉をかけて「春には芽をだしてね!」とお祈りして家に入る。
令子は只今ケーキ作りに夢中でキッチンで音を立てて粉を練っている。地元のスーパーで買ってきた小粒の苺を洗っているのできっとストロベリータルトを作るのだろう。
「クリスマスツリーはアメリカでは1月まで飾っているからそのままにして」と息子から頼まれその晩はお正月だかクリスマスだかわからない夜を過ごすことにした。
お隣りのお家は冬の河口湖を楽しめる人たち。
今年も家族中でいらしている。
ご主人がお庭から入っていらして「お正月のご挨拶」昨年断りなしで我が家の丸太を何本か持って行らしたとの事。
3年前建築時に切った大木を利用して何かを作る予定にしていたが女の私では手におえない。そこでお隣の方に勿体無いので相談していた物だった。お礼に令子の作ったストロベリータルトをお渡しすると大喜びでまたまた令子のケーキファンを作ってしまった。いつも彼女はここへくると座る暇なくケーキワンホールを作り近くのお家に配るのが楽しみになっている。
お隣との境に昨年、白と青のクレマチスのトレリスを作った。
これも家だけでなく来年春のお互いの楽しみになっている。
お雑煮、栗きんとん、黒豆、数の子、鰤の照り焼き、おなます、田作り、たこの酢の物、、、と略式だがお正月らしく飾る。私の子供の頃は一日より着物を着て、お正月は家族全員で祝い、初詣を楽しみ、お客様を歓待した経験がある。今考えるとお嫁に来たころはその習慣を子供に覚えさせようと思いつづけていたが、最近はちょっと略式にさせてもらっている。でもどんなことをするのかは彼女達も知っていてお嫁に行った由美子は家族で二日より沖縄に行くということで、年越しそばと花びら餅を持って暮れの挨拶にやって来た。この贈り物はいつも私が亡くなった母にしていた暮れの贈り物だった。それを見てしっかり受け継いでいてくれたのには感激。帰りに母が私にしていた様に、自宅で作ったおせちをお裾分けとばかりに少し器に入れて持ち帰ってもらった。とても嬉しそうな顔を見て私も母の黒豆の味を思い出した。
河口湖の友人も自然と増えて近くのバラの先生梶みゆきさんもふらっと藁と馬糞をもって訪ねてくれた。
「お子さん達は?」と伺うと「お年玉上げるから河口湖に来ない?」と聞いたら「お年玉上げるから東京にいてよ」と言われたと大笑い。彼女曰く「子供達が成長したことね。」と明るく笑いながらおっしゃった。来年は子供達もそうなるのかな?と思いながら親というものはうれしくもあり淋しことでもあるような気がした。
今年彼女に習って植えた玄関の白いバラが無事に冬を越す様に心配してくれたのだ。河口湖の四季は飽きない。どんなに忙しいスケジュールの中でも、1日河口湖で過ごせば、まるで性格まで変わってしまうほどリフレッシュできる。これは子供達にも同じようなことがいえ、気持ちが優しく、健康に、そして明日から何をすべきか考えられる所になっている。お隣りの奥様が7時に東の方向の朝日が富士山にあたりそれが冬の時期は真っ赤になりとても綺麗だと教えてくださった。
今年もそんな素敵な人達にふれあいながらONとOFFを楽しみ自分のライフスタイルの
充実を図りたいと思う。皆様もよいお年でありますよに。

これから東京の神田明神にいき甘酒を頂くことにします。
Written by Akemi Sugawara