Flower patterned life style

花柄ライフスタイル

今年の春のトレンドは花柄や海をモチーフにした物が大流行です。特に、楽園、亜熱帯植物、極楽鳥等のモチーフが注目の今年は、花柄も小花ではなく大花が大流行です。多彩色を使う反面モノクロも人気。また、ロココ調のプリントは今シーズン隠れたヒットアイテム。
とてもクリエイティブな友人が、早速先日仲間のパーティでヨージヤマモトのバラのジャケットをシルクのパンツと共にかっこよく着ていた。破れたデザインの面白さを出したそのジャケットはとてもカンバゼーショナルで、お茶目な友達はそっと手をいれたりしてこの日の人気者だった。

今まで私は「花」そのものは大好きだが、どうも花柄プリントはちょっと苦手だった。
それは何となく野暮ったく感じたり、太って見えたり、一度着たら覚えられてしまったり、仕事には不釣合いだったからかも知れない。
今まで持っていた「花柄」のものや「花」に関係のあるものを改めてチェックしてみるとそれは洋服ではなく、ほとんどがスカーフや小物。スカーフのほとんどがジョルジオアルマーニのものが多く、同系色で光を通してみると「花」がうっすら透けて見える大判のエレガントなイメージのスカーフが主で、爽やかな春風を感じさせるものであった。長年集めていたのはシャネルのカメリア、コサージュだ。春を感じるたその最初の日に、毎年必ず紺のスーツに真っ白なカメリアをつけるのが楽しみだ。これだけはコサージュや花が流行でなくても必ず何年も続けている。大きいものから小さいもの、一重のもの、八重のもの、エナメルやビーズを施してあるものなどいろいろである。色も真っ白のコットンからアイボリーのオーガンジー、紺、黒のエナメル、ベルベットと形は同じでも洋服のT.P.O.やイメージ、季節によってそれぞれが大事な存在だ。若い時はシニヨンにした髪に一輪つけて楽しんだロマンティックな思い出もある。


新しい物を買う前に今まで持っていた花柄や花の小物を使ってみる事も楽しい。先日もロータリークラブに出席した際に、黒のスーツに黒のエナメルのコサージュを襟につけ、エルメスの新しい黒の細いトリミングを施した真っ白のスカーフをかけて出かけた。これが思いかけず女性たちに好評。せっかちで行動的な友達はてっきり新しい物だと勘違いし、帰りにシャネルのお店に立ち寄ってしまったというエピソードもあった。
又最近では香港のエトロで黒地に赤や黄緑、オレンジという亜熱帯植物の中にいるようなブラウスを購入。その晩、薄手で黒のスリットのあるロングスカートと組み合わせ、ペニンシュラホテルの"Spring Moon"に行くと、不思議とこのレトロ調とモダンが融合したこのレストランにぴったり。思いがけなくエキゾチックな雰囲気をだすことに成功した。
キャンドルだけの空間に鮮やかな花柄は生きていた。スーツと着ても良し、麻のパンツと合わせてもいい。素材やスカートの長さを変化させるだけでも楽しい事を発見。しかもエトロだったら柄と柄を組み合わせる事によってより自分をクリエイティブに見せると事もできる。コンテンポラリーのモダンな絵画の部屋にも合いそうだし、京都のような日本の住宅の中でもよい。良く考えて買った一枚のブラウス今年だから一杯楽しめる。

何故か、“今年だから”と言うものは新鮮にチャーミングに見せる。長年着られないから・・・?と躊躇していた事も時々この考えをはずして見ると意外と新しい発見を体験出きる。特に私のような仕事はいろいろな場面があり、思いきって外見から飛び込んでみると福が舞い込んでくるのだ。ここで気をつける事はヘアスタイルやメイクアップ。ちょっと今年風にしてみては?この春私もイメージチェンジの為、ヘアカットはわざわざ香港のKIMの所で、カラーはNOBUさんに、と、自分のテイストがわかってくれるプロに頼む。次の自分を見つけるために。
トレンド情報としては透ける素材とバルーンパンツ。超ミニスカート、パッチポケット、肩章付きサファリルック等はグッチ、ジルサンダー。ブラトップは温暖化の影響か透けるブラウスと組合わせると楽しい。ランジェリー風で、ソフトで表現はかなりダイレクトであるが洗練されている物が多い。サマーブラックもあって嬉しい。シューズはほとんどがストラップの物が主流。ヒールは高め。セルジオロッシのオープントゥ等セクシーシューズが多い。又花柄を刺繍したものもでている。バックはクラッチ、唇バッグ、ポップなプリント柄はシャネル、デイオールから。アーティストの村上隆とルイ・ヴィトンがコラボレーションしたものグラムも注目。又プラダのバックも面白い。

生活の中に花を取り入れる。

さて我が家ではこぶしの花が終わってムスカリ、クリスマスローズ、デイジー、チューリップ、ヒヤシンス、水仙などが満開で一杯。今朝はムスカリを30本ほど庭より切ってきて私の仕事机の上に飾った。プーンと大人の神秘的な匂いを感じた。前に買った薄い紫のシャネルのジャケットを今日は着てみることにした。グレーのブラウス、とパンツとを合わせる事によってムスカリの紫や黄緑の茎が生きてくる。日本の着物のような感じでもありヨーロッパの貴婦人のイメージでもあり、タイにあるスコタイホテルの辛口のイメージにも似合う。色の組合せは旅や文化や人生の体験を再び思い出させてしまうから不思議。シャワーを浴びて今日はピンクだからサンローランのベビードールのボディクリームを使ってみよう。CHANTECAILLEのDarby Roseに。ジャスミンカラーのオフホワイトのブラウスを着ることにしたときはラルフローレンのGLAMOUROUS をつけてみる。タイのオリエンタルホテルの朝のブッフェがぴったり。そんな事をしていると、かなりクリエイティブな自分になり、とても楽しくなってくる。もちろん音楽にも。「花」が流行るのなら音楽も自己流に変化をつけることにした。鳥の鳴き声を好きな音楽とダブらせて聴いてみた。それがなんとも言えない癒しになる。欲張りだな―と思うが2曲の合わせも重ね着と同様な面白さを出した。
今年のMY ESCAPE(Kawaguchiko)の東屋はオリーブグリーンやシャトルーズのようなグリーン中心に葉や花のステンシルをしたりパーゴラには白や藤色の春一杯つけて見たい。鉢にはたっぷりと花やグリーンを植えてみる。バッファローやスズラン、チューリップ、アジサイ、クリスマスローズは間違いなく今年も楽しませてくれる。

先日、近代博物館の大智勝観の緑陰を見た。ブリティッシュライフスタイルを真に受け継ぐSandersonが今年で80周年になるが、英国大使館で一番美しい桜の季節に行われるパ―ティに招待された。そのパーティでも花柄プリントがの歴史を見ることが出来た。COACH渋谷のオープニングパーティの招待状もお花一杯。この春花柄が流行るだけでまだまだ興味の湧く事一杯。家庭画報6月号では花柄特集の監修をさせて頂いた。まだまだ沢山ヒントが掲載されますので是非是非ご覧下さい。

Written by Akemi Sugawara